こんにちは。せいじです。(@seiz_suzuki)
先日、生徒さんと話していますと、
と言われましたので、

と言いました。
これには様々な意見があるかと思います。
今日は僕なりの意見を述べますので、みなさんの思考の参考になれば幸いです。
会社員と公務員の違い
まずご意見としていただくのは、
ということでした。
確かに、学校の先生として思っていたことは、

という現実がある、ということでした。
会社員の方々ですと、
- 転職
- 倒産
- 昇進
- リストラ
など、生活(人生)にダイレクトに関わってくることがありますからね。
要は「お金/生活」に直結するため、「だからこそできる経験」「感じるプレッシャー」も変わってくるということでしょう。
公務員の場合は余程のことがない限り、首になることはありませんからね。
ただ、それはその人のスタンスや目指しているものにもよると思っています。
こうして公務員を辞める人(=僕)もいるわけですし、僕の代の英語教師たちは、僕より早くに教員を辞めて自分の道を歩み始めていました。
どちらにせよ、
という思想を持っている人からすれば、安泰だと思える会社であろうと公務員であろうと、同じなのではないのかなと思っています。
公務員をヨイショするつもりもないですが、あえてバランスよく意見を言うのであれば、公務員になるために勉強をして試験を受けたり、入ってからも専門的な業務を扱ったりすることはあるということ。
また “会社員” といえど、世界にある職業は本当にたくさんあって、
というのは、あまりにも広すぎますよね。
介護や建築、ITや不動産など、多岐にわたって会社があって、
- そのどれかを経験する
- その上で公務に携わるべき
と言うのは、どうなのかなと。
もちろん、僕はその考え方(経験を積むということ)それ自体には賛成ですが、

と思っていますね。
教育をする人だから経験が必要?
こんな意見も見受けられます。
ただ、教員をやっていた僕からすれば、それ以上に専門知識や現場での経験がないと、教員は務まらないとも思っています。
確かに公務と民間での働き方は違いますし、僕が一部賛成しているように「そうした経験を持っている先生」のほうが見識が広いイメージもあります。(同僚にも民間上がりの方は何人かいました)
一方で、
という話は、全く別の話です。
ある意味、「ずっと先生として教育に従事してきた人」のほうが、学校のあり方がわかっている可能性もありますしね。
こう言ってはなんですが、民間上がりの人なのに「全くもって視野の狭い人」も、何人も見てきました。
何度も言う通り、「経験を持っておくこと」それ自体を否定しているわけではありません。
いろんな経験を引っさげて「満を持して先生になる」ほうが、生徒たちにも広い世界観を伝えることができるからです。
ただし、その経験が全て教育に活かされるかどうかは、また別の話。
民間の会社に勤めてから教員になったとして、
- 海外の支社にいたことがあるのか?
- その会社は何を専門としていたのか?
- その会社のどの部門で働いていたのか?
など、どの経験を持って、
と決定することができるのでしょうか。
大学を卒業し、ストレートで先生になった人だとしても、
- 幼少期に海外にいたことがある
- いろんなバイトを経験したことがある
- 教員になってからもビジネスを勉強している
など、単純に「会社に3年勤めていました」という人よりも、もしかしたら価値のある経験をしている人、あるいはまだ勉強中で志の高い人もいるかもしれません。
会社員になったとしても、
と思っている人(あるいは悪い意味で転職を繰り返している人)と比べれば、もっとポテンシャルの高い教員はいくらでもいます。
確かに教員にも「何も考えてない人」など様々いるとは思いますが、それは会社員にも言えることです。
一緒くたに「会社員を経験すべき/社会を知っておくべき」というのは、

と思うくらい、数え切れないほどの事例があるのではないかと、僕は思っています。
容易に一般化しないこと
なぜ、
という言葉が生まれたのかといえば、それは教員の中に「知ったような口をする人」がいるからです。
要は、
とツッコミたいがために、生まれた言葉だと思っています。
これには僕も、大いに賛成です笑。
ただ、それは逆のことについても言えるのではないでしょうかね。
会社員の方だって(批判するつもりはありませんが)、「偉そうにしている人」がいたらみなさんも同じように、
と指摘するはずです。
どんなに良い会社に何年も勤めていたとしても、教育現場に来たら全くと言っていいほど使い物にならないことがあります。
それは会社を変えても同じでしょう。
全く業種の違う会社に転職すれば、最初の何年かは「新入り」として下積みをしなければなりませんからね。
教員も実は同じで、どんなに現場の経験があっても、違う学校に行けば最初は慣れるのに時間がかかるものです。
即戦力になる場合とは、まさに「自分の経験が即座に生きる業種間」での話であって、その人の経験が生きてくるようになってくるのは、数年後であることが普通なのではないのかなと。
だから僕は、以下のような安易な考え方には賛同できないのです。
- 偉そうな先生っているよね
- 先生って社会経験がないから視野が狭いよね
- まず会社員とか経験してから先生になるべきでしょ
僕も「経験それ自体」には大いに賛成しているとはいえ、こうした発想から「社会経験を積むべきだ」という意見に至ってしまうのは、ちょっと筋違いかなと思っています。
また、先述したように経験と言っても、「何を持って素晴らしい経験か」は誰にも判断できません。
例えば女性の方で、
- 先生になって
- 子育てのため産休&育休
- 現場復帰をして再度勤務
をした方がいたら、それは「社会経験に乏しい」とでも言うのでしょうか。
そんなわけがありません。
そこで得た経験が教育に生きるでしょうし、「会社員であったこと=重要な社会経験」と大きく括(くく)るのは安易すぎます。
- 先生になる前(なった後)に経験をしておくと良い
- だからと言って公務員や専門職と会社員の間に優劣はない
僕はこう考えていますね。
おわりに
僕は以前に世界一周をしました。
もし「会社員を経験してから教員になれ」と言う人がいれば、僕はその人に対して、

と言ってもいいですよね。
あるいは教育関係の会社さんに、

と言ってもいいわけです。
でも僕は、そんなことはしません。
このように「他の景色(世界)も見るべきだ」という意見は、心のどこかに「その経験をすべきだ」という押し付けがあります。
会社員を経験していなくても素晴らしく優秀な教員はたくさんいますし、会社員を経験していても全く役に立たない人だっています。
それは民間の会社でも一緒ですし、政治家や専門職においても一緒です。
だから一言にまとめずに、それこそいろんな視点を持って教育について語りたいですよね。
それではまた!