30代教員が思う高校生への金融教育とは?【まずは大人が勉強しよう】

投資

こんにちは。せいじです。(@seiz_suzuki

先日、

学校での金融教育とは?

という議論に混ぜてもらう機会がありました。

結論から言いますと「学校では遅すぎる」です。

また、YouTubeやSNSなどの媒体でできるような、

  • この商品がいい
  • この口座を開くといい

という情報を生徒に教えることは、なかなかできません。

  1. 家計簿の管理
  2. 投資の仕組み
  3. ぼったくられないようにという注意喚起

などが限界なのかなと思っています。

ではまず何から始めればよいのでしょうか。

それは「大人が金融知識を身につけること」です。

早速見ていきましょう。

大人が学んでいこう。そうすれば自然と子どもたちも真似るようになる。

大人が学ぶ必要はある?

いざ「マネーリテラシーを!」と高校生に伝えたとしても、当の本人である大人の僕たちがお金について何もわかっていなければ、お話になりません。

特に「教員」ということで、教えることが大好きで、かつマニアックな僕にとっては、

人にものを教えるには、その3倍は勉強すべきである

という言葉は真理だと思っています。

そう考え始めますと、なんとなしにお金の勉強をしてきた自分は、

まだ教えるレベルにはいたっていない

と思うようになりました。

これは「謙虚」ではありません。

僕は教育に関しての熱量が人の数倍ありますので笑、教授法もめちゃめちゃ勉強していきたいのです。

  • 税金に関して
  • 保険に関して
  • 貯蓄に関して
  • 資産運用に関して

まずは僕らが、

あ、それならこういう仕組みだよ

と言えるようにすべきなんですよね。

社会の先生じゃないから…
えーっとなんだったっけな?

と、以前の僕ならお茶を濁していました笑。

今もまだ勉強中ではありますが、だんだんと、

  • この数字の意味はね…
  • ここの勉強だけはしておくようにね!

と、生徒にたちに伝えることができるようになってきました。

そうしてまずは、各個人が(先生に限らず社会全体の大人たちが)お金の勉強をして知識を身につけることが最優先事項ですよね。

少し前の社会、僕が学生時代の頃(2000年代)もまだ、

  1. 一所懸命勉強して
  2. 受験して大学に入って
  3. まずはいい企業に入って
  4. 60〜70歳まで働きなさい

と言われたものでした。(もちろん勉強も大切ですが)

つまりそれは、社会がその概念を作り上げてきたということを意味します。

逆に言えば、

え?今は終身雇用も保証されてないから、お金の勉強をするのはマストだよ?
どういう人生プランにするの?何か次の職は考えているの?

という概念を「社会全体で」構築することができれば、生徒たちも自然と、

あぁ、一社に勤め続けることはありえないのだな

と思うようになってくるのです。

だからこそ、今を生きる「大人たち」がまずは頑張る時代です。

社会全体で子どもたちに「金融教育」をしていくほうが、学校現場で教えるよりもはるかに速度が速く、圧倒的なパワーがあることは、間違いありません。

まずは大人たちが金融リテラシーを身につける努力をすることが、子どもたちにとっての最速の金融教育なのだ。

高校生はまだ再現できない

僕が意気揚々と、

さぁ!お金の勉強だ!

と言ってみても、当の生徒たちは「?」となってしまいます笑。

それはそうですよね。彼らの手札には、

  1. バイトする
  2. 貯金する
  3. 浪費する

くらいの選択肢しかないからです。

投資?興味はあるけどできないよ…

と言われてしまいます。

証券口座が開けませんからね。

そもそも「種銭(たねせん/たねぜに)」がないため、株式投資を始めるよりも、

  • 友達とサイゼリアに行ったり
  • ジュースや菓子パンを買ったり
  • 自己投資(勉強やスキルの向上)に回したり

のほうが彼らにとっては心地がよいのです。

だからこそ「大人になったら様々な生き方がある」というように道を示しておくことが、一番大切なことだという結論に至りました。

しかし実はここで、彼らにもできることがあります。

それは「稼ぐこと」を体験してみることです。

ビジネス好きの同僚が授業で話したことが面白かったので、引用します。

お前ら、ここにある100円を、200円にするにはどうしたらいい?

と生徒に聞きました。すると、

  • 錬金術を使う
  • 真っ二つに割る
  • ポケットに入れて叩く

などの珍回答を得られたそうです笑。

そこで同僚は、

例えば安く買えるようなスーパーに行って、50円のコーラを2本買うだろ?そこで一旦資金は『0』になっちゃうけど、1本ずつ100円で売れば200円を得ることができるじゃないか

と伝えてあげたそうです。

生徒たちは「なるほど!」と感嘆の声をあげたそうです。

もちろん、スーパーに行くまでの時間やそこまでの交通費などを考えれば、実質マイナスになるようなものかもしれません。

それらを差し引いてもお金さえ残れば、それが「手数料代=稼ぎ(利益)」となり、学びとなります。

高校生たちには、

  • お金を貯めること
  • 投資によって増やすこと

を実感する機会はなかなかありません。

それなら、

  • 思いっきり勉強する
  • 趣味や自己投資に使う
  • 稼いでみる(バイトを除く)
  • ものづくりをして売ってみる
  • SNSで何かしら発信してみる

という体験をさせたほうが良さそうですよね。

これがマネーリテラシーを鍛える最良の方法なのかもしれません。

高校生は貯金したり投資したりするお金が手元になく、そもそも始めることができない。まずは稼ぐ力を養ってあげるのも金融教育なのかもしれない。

金融教育=生き方そのもの

僕がこうして縁あってお金の勉強を始めたことによって、本当に様々な考え方が身につきました。

これらを教えることも、先を生きる僕ら「大人の仕事」だと思っています。

「どちらが先」というよりも、コインのような裏表といったほうがよいでしょうか。

  • 人生の計画
  • お金の使い方
  • モノに対する価値観

これらは全ては繋がっており、

  • 人生を考える上で、お金は関係ないとも言えないし
  • お金のことさえ考えていれば、人生論は要らないとも言えない

と思っています。

だからこそ、やはり大人がこの「お金=人生」について学ぼうという姿勢を持っていること。

そしてその母数が増えること。

そんな社会基盤の上で子どもたちが育っていけば、彼らは現代社会に対する人生観について触れることができて、さらに人生について、お金についてより深く知ることができます。

僕は一教員として、

  • 自分が実践した投資の話
  • 刺激を受けた本の内容の紹介
  • どこにお金を使うことが自分の幸せなのか
  • 高校生たちが大学に行く時、働く時にどのような考え方を持っておくと良いのか

を伝えるようにしています。

自分はまだ30代ですが、10代〜20代の子たちにも、

  • たくさん学んで
  • たくさん知って
  • たくさん行動して

ほしいと思うからです。

年齢を言い訳にするつもりはありませんが、「若い」ということはそれだけで大きな力がありますからね。

大人の中でもダイレクトに生徒たちの前に立つ大人、それが「先生」です。

現代のインフルエンサーたちにもそのような使命があるとは思いますが、学校で教壇に立つ先生にこそ大きな使命があると思っていますし、その影響力は計り知れません。

先生たちが生き様を見せることは、「教員としての義務」だとすら思っています。

そのために、僕自身も日々学ぶことは欠かせませんね。

  1. 学んで
  2. 教えて
  3. 再び学んで
  4. 再び教える

今の僕にできる最大限のことを続け、社会に貢献していけたらと思っています。

金融や経済について大人が学べば、子どもたちにその「生き方」も伝わってくる。下の世代に教えるために、日々学んでいこう。

おわりに

「金融教育は実現が難しい」と断言するつもりはなくて、そのアプローチ方法は模索していくべきだと思う立場にいます。

手っ取り早いのはやはり、

「大人たち(社会)全体が学んでいって、下の世代に伝えていくこと」

なのかなとは感じていますが、まだまだ可能性を秘めている教育分野でもあるでしょう。

でもこうして、

  1. 一教員
  2. なんの強みもない
  3. 平々凡々な一般人

が、お金の勉強をし始めて変わっていって、周りの友人知人たちや生徒たちに少しでも影響を与えられるのであれば、それはとても喜ばしいことです。

まずは言い出しっぺの自分が行動し、結果を出すこと。

これを胸に刻んで、継続し、まずはひとりでぶつかっていきたいと思います。

それではまた!

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