30代で世界を考える【What Would You Do?】

人間関係

こんにちは。

以前、YouTubeで“What would you do?”というアメリカの番組を見ていました。

これはそのまま「もしあなたならどうするか」というタイトルです。

上のタイトルを入れればたくさん動画が出てきますので、ぜひ見てみてください。

どこまでヤラセかどうかはわかりませんが、レストランや衣服店などの舞台で明らかに差別をしたり嫌がらせをしたりする人々を配置し、それに対して一般の方々がどのような対応をするかという番組です。

日本と違った文化を享受したことですずきが感じたことを伝えていきます。

広いテーマ

様々なテーマが取り扱われていますが、大きいテーマを中心に書いていきます。

あくまで例ですので実際に見ていただくことをオススメします。

人種差別

テーマの是非は置いておいて、この番組では黒人差別に意見する動画が数本あがっています。

例えばレストランで黒人と白人のカップルがいる時に、隣に来た人(役者)がわざとらしく「なんで黒人と白人が付き合っているんだよ」と大きな声で言います。

すぐに差別的な発言だと感じた他のお客さんは、その無礼な客に対して説得しにかかります。

「アメリカは自由の国だ」「お前には関係ない」「マネージャー(責任者)を呼べ」と、とにもかくにもこの客をねじ伏せるかつまみ出すかしようとします。

あるいは理髪店で黒人の方々が多い場面では、少数派である白人に対して黒人の美容師(役者)が差別発言をする場面も撮影されます。

それに対して、黒人の方が白人の方を守ります。

「彼女は白人の前に女性だ」「君は歴史と同じことを繰り返している」など、一般人とは思えないしっかりとした意見をはっきりと伝えており、涙もろいすずきは見るたびに泣いてしまいます。

先ほどの理髪店の例でも、仕掛け人である黒人女性は実際に白人の男性と結婚しているため、悪役をつとめた彼女としてもお客さんの反論は嬉しいことこの上ないのです。

他にもアジア人と欧米人のカップルを見て「あれはないわ」という無礼な人々に対する抗議をとらえた動画などもあります。

課題のある方々への差別

他にも脳に障害を持つ方や吃音症、字が読めない人がお客さん役だったりウェイトレス役だったりします。

先ほどの黒人と白人のカップルのように、実際にその課題を抱えている人が役を行なっていることが多いです。

するとまた失礼な態度でやってくるお店の方や周りの人々(役者)。

「こんな失礼なやつ本当に世の中にいるのかよ?」っていうくらいの名演技です。

すると周りにいる人々は、その失礼な態度に対して激昂することもありますが、まずその課題を抱えている人を助けようとします。

ゆっくり丁寧に手伝いながらも、無礼な態度を取り続ける人たちに対して、

「あんたは黙ってろ」「こんなやつ無視していい」「なぜお前が助けないんだ?」「責任者を出せ!」

と荒れに荒れます。

そりゃそうですよね。みなさんの正義感には、本当に脱帽です。

ハラスメント・マウンティング

日常で行われているいじめや罵倒、親の虐待まがいの叱責なども取り上げられています。

明らかに「俺が/私が上で偉いんだ」と言わんばかりの上司やコーチ、親も登場し、それに対して「その口調や言葉がけが不適切である」と指摘する人たちが現れてくれます。

子どもやパートナー、老人などハラスメントの対象にされている人が1人になりますと、そっと駆け寄ってきて「大丈夫だよ」と声をかけてあげるだけでなく、「今日は彼/彼女は嫌なことがあったんだよ」と無礼な人に対してもフォローする人も出て来ます。

もちろん喧嘩になったりもしたのでしょうが、そこは番組として綺麗な部分を中心に集めて編集しているので実態はわかりません。

とはいえ、上のようなシーンを見るだけでも心が洗われる思いです。

お涙ちょうだい?

ただただ鼻水と涙をドバドバと流すすずきですが、一方でしっかりと向き合わなければならない課題もあります。

これらは番組ですので、視聴率を取るために「あれやこれや」と画策している可能性もあります。

最初にテーマの是非を論じる前に泣けると書きましたが、そもそも人種差別や障害者などのテーマは非常に繊細なテーマですので、この番組で逆に不愉快な気持ちになる人も一定数いるということを忘れてはいけません。

僕は単純に周りの人々が勇気を持って抗議するシーンを見て泣いてしまいますが、差別や障害に対する認知があまり高くない日本にいるからだと考える必要もあります。

アメリカは様々な人種で構成されている大国であるため、その苦難の歴史や命の危険、不愉快な誹謗中傷、差別的発言の渦中にいる人々が多いです。

今となってはグローバル化が進みつつありますが、日本とアメリカを比べてしまうと圧倒的に人種に対する意識の差があります。

だから日本が悪いというわけでもありません。

島国であることや均質的な人種・言語、教育や歴史の背景など様々な要因が絡んでいますので、一概に日本人の意識が低いと言ってしまうのもまた誤解を生みます。

話を戻しますが、これらのテーマを扱うということはそれなりのリスクもあるということです。

「こういう人たちを番組に出しておけば泣けるだろう」という製作者側の意図があるかもしれないということも考えておくべきです。

ただ、この番組に参加していただいている人々は実際にそのような経験をされた方々であることが多いです。

見ている側は様々なことを加味して、番組を視聴したいところですね。

口を挟まない人も…

実は周りの人々もだんまりを決め込むときがあります。

この番組では意見を言ったり口を出したりすることができなかった際も、しっかりと当事者たちに話を聞きに行きます。

「なぜあなたは声をあげなかったのですか?」と。

それに対しても様々な意見が出てくるため、それがこの番組の公平性を保っている要因です。

「僕も彼/彼女(無礼な人)に賛成だからだよ」「私には関係ないと感じたから」

など、なかなかその人たちを責められない部分もあります。

それこそあなただったらどうするかという、タイトルの意味につながってきますよね。

「立ち上がって正しいことは正しいと言った人」が正義のヒーローだと思いがちですが、それがあるべき姿なのだと決めつけるのも、また良くありません(僕は感動しますけど笑)。

各々の対処の仕方があり、思いがあり、それらによってその場面が切り取られます。

正解がないということを伝えるのもコンセプトのうちの1つなのだなと思うと、結構見たくなってしまうんですよね笑。

相手を認める

すずきが感じたこととはなんでしょうか。

誰か困っている人がいたら助けてあげたり、悪を懲罰してその場から追い出したり…

そのようなことも劇画のようでいいのですけれども、僕はそのような行動に先立ってまずは他人を認めることが大切なのではないかと思います。

アクションを起こした人たちに共通して出た発言は、「君(無礼な人)は何不自由なく生活してきたのかもしれないけど、君が当たり前に過ごしてきた一方で苦労してきた人たちもいることをわかってやれ」というものでした。

「こんな無礼な役は日常では見ないはずだ」と願いたいところですが、その反面僕らはどこか心の奥底で人を見下したり優劣をつけたりしているときもあるはずです。

ここでアクションを起こした人たちは、少なくともその人の苦労や辛酸を認め、理解しようとしていました

それがその人にとって100%理解・共感できるかは別の話です。

人それぞれ経験してきたことは違うのですからね。

その前提に立った上で、まず相手の存在を認めてあげること。

教育者である僕は、常日頃感じることなんですよね。

おわりに:教育について

僕は勉強が好きだし得意だったから受験だってしましたし、浪人したのにもかかわらず親も応援してくれました。

これはあくまで僕の体験したことであり、生徒全員がそんな境遇にいるとは限りません。当たり前ですが、これを勘違いしてしまうと教育は始まりません。

すると「なぜこんなこともできないのか?」「なぜ遅刻ばっかりするのか?」「どうやったらそんなガキみたいな考え方しかできないのか?」と彼らの境遇を無視して、飛び越えて、指導を始めてしまう先生も出てきてしまいます。

僕も気をつけるようにしないといけませんね。

相手の境遇を受け入れられる広い心を持った上で、相手に寄り添ってあげられたら、それで十分なんだと思います。

生徒だけでなくどの人に対しても、What would you do?でアクションを起こした人たちのような人間でいられるよう、心を磨いていこうと思います。

それではまた!

コメント

タイトルとURLをコピーしました