こんにちは。すずきです。(@seiz_suzuki)
教員を長く続けていますと、やはりまだまだ教育現場は、アナログの部分が絶えないものだなと思う毎日です。
特に「書くもの」(ペーパー)が非常に多く、
「これは、ミスをしないほうがおかしい」
と言っても過言ではありません。
- 出席簿
- 提出物
- 通信簿
など、デジタルにならないかなぁという願いばかりが募ります笑。
さて、僕は「教務」というグループに所属しています。
ちまたでは「学習支援グループ」というところもあり、呼び方は様々ですが、やることは「事務的なこと」に特化しているグループだと思ってもらえれば大丈夫です。
実は学校現場だけでなく、みなさんの所属する会社でも、まだまだ「ガラパゴスの部分」があるかと思います。
今日は僕が思う教育現場の課題点を取り上げ、みなさんと共有していきたいと思っています。
そもそもお金が足りていない
そもそも、学校には基本的にお金が足りていません笑。
- いつまでも古い校舎
- 薄暗い廊下
- 汚いトイレ
- 改善されないアナログ教材
- 固くて重い椅子と机
など、目も当てられない状態である学校がほとんどです。
確かに学校に限らず、そこらへんの民間の会社であっても、全てをデジタル化しよう/効率化しようとすることは、簡単なことではありません。
言うのは簡単ですが、導入するためには多額の費用がかかるからです。
学校が成り立っているのは、
- 国公立であれば税金
- 私立であれば生徒保護者のお金
のおかげです。
ざっくりですが、私立のほうが若干まだ何とかなると言いますか、お金をかけるところを決めやすいのかなと思います。(あくまで個人的な見解ですが)
ただ小さな学校の場合は、私立であっても資金調達は大変です。
「ドーンとキレイな施設」を備えた学校を作れるのは、在籍生徒数の多い人気の私立校でしょう。
公立高校は大変でして、
- 少子高齢化
- 私立入学への援助金
- 古い校舎
- 交通の便の悪さ
など、私立に比べると「ディスアドバンテージ」がたくさんあります。
あきらめたくはないのですが、日本国内の人口層を見る限り、若い人のためにお金を使っていけるような未来は、まだまだ遠いように感じられます。
こんな状態では、学校のあらゆる部分を刷新したくてもできません。
そんな結論から入ってしまってから物申すのも、大変恐縮なのですが笑、「学校現場に変わってほしい点」をあげていきます。
これから先生になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
出席簿
- クラスの出席簿も、
- 授業の出席簿も、
いまだに「紙」です笑。
これはみなさんの出退勤を、ペーパーでチェックしているようなものだと思っていただければ、なんとなくわかるかと思います。
会社の中にも「出退勤カード」的なものを採用しているところもありますが、僕の目の前の生徒は30〜40人近くいますので、シンプルに時間がかかります。
- ペンで欠席した生徒の部分に斜線を引いたり、
- 遅刻してきたらバツを書いてみたり、
- それを合算してみたり
と、こうした「ちょっとした手間」になる作業が多いです。
ちなみに「先生、ちゃんと出欠席の記録をつけたの?」と聞く子はほぼおらず、いたとしたら皆勤賞の生徒が、結果を気にしている場合くらいです。
先生たちの「手書きの記録」に、生徒たちも疑いがないものだから驚きですよね笑。
僕は朝のホームルームが終わった後に、自分の机のパソコンでエクセルにサッと入力してしまいます。
これをすることで学期末の成績処理が格段に速くなっただけでなく、何度かチェックもするようになったので、オススメです。
(※ちなみにエクセルには個人情報は載せておらず、出席番号のみを記載しています)
人員配置
学校には「行事」がたくさんあります。
その都度、グループの先生方が「あぁでもないこうでもない」と、立ち番など係の割り振りをしています。
ランダムに配置すれば簡単ではありますが、人間関係や配置の場所も大切になってきますので、やはり人間の手でやらなければなりません。
こればかりは、
- お金で解決
- 他の第三者機関に委託
というわけにもいかず、歯がゆいところです。
いつまで経っても、会議で出てくる要項はペーパーが王道です笑。
見やすいですし持ち運びもしやすいのですが、ペーパーレス推進派である僕からすると、まだまだ改善の余地はありそうですね。
配布物
生徒に対しても先生に対しても、基本的に「紙文化」はなかなかなくなりません。
民間の保育園や幼稚園では、基本的にメールで報告があるため、お子さんが小学校に上がってから受け取るプリント類が多くなり、イヤな気持ちになる保護者さんも多いそうです笑。
学校によっては、頑張って「ペーパーレス化」を推進しているところもありますが、全国的に見るとまだまだ浸透はしていません。
- 通知表
- 学年だより
- 会議資料
など、「ここは江戸時代か?」と思うほど紙が多いです。
そのおかげか職員室の隣の机では、日々「紙による雪崩」が散発する光景を見ることができます笑。
単純な事務仕事
教員に限らず、どの職においても「事務」や「雑務」はどうしても出てきてしまいます。
なんでもかんでも外注できればラクでしょうが、実際はそうもいきません。
僕が今携わっている「次年度の時間割作成」も、「はい、じゃあお願いね」と第三者に任せたところで、現場の流れや事情のわかっている先生たちが、
- 結局のところ文句をつけたり、
- お願いがどんどん出てきたり
と、逆に仕事が遠回りになってしまいます。
職員室で聞いて回るほうが、遥かに効率的であることは間違いありません。
こうして雑務は増えていきます…
また、部活動関係でもたくさん動きました。
- 遠征先との日程調整
- 合宿の手配
- 部活動の書類づくり
- オリジナルTシャツの作成
- 集金
など、生徒にいいものを与えようと思えば思うほど、自分の時間は削られていったものでした笑。
僕は「授業が第一」と言い続けている割に、
「学校の先生って、あまり授業していない時間ばかりだな…」
と感じてしまうことも、多々ありますね笑。
教育現場では何が求められているのか?
僕は「教育」が大好きであり、生徒と話している時が一番幸せです。
英語を教えたり、進路活動に携わっている時間もかけがえのない時間です。
一方で、僕は「事務的な仕事」も好きです。
- チームの一員として他の先生方と一緒になって働くこと
- 他の先生に喜んでもらえるように事務作業をすること
にも、やりがいを感じます。
しかし教師の本業とは、何度も申し上げている通り「授業」で間違いありません。
それ以外の面で成果を上げたとして、それはそれで褒められるべき点かもしれませんが、ふと、
「それは本当に意味のあることなのだろうか?」
と思うこともあります。
回り回って、学校現場がよくなることにもつながるのでしょうが、
「事務仕事が格段にできる人 < 教育に長けている人」
が、本来は教育現場に求められるべきものです。
いろんな先生がいていいのですが、やはり「仕事ができる人 ≠ 教育者」という式が成り立つはずなのです。
それでも現実は残酷でして、「教育」に全振りしたいのに、
- 人が足りていないし、
- お金も足りていないし、
- あまり視野も広くない
という有り様です。
そうしますと、どんどん教育現場に雑務が増えてしまい、結果的に雑務などの仕事もできなければいけない状態となってしまっているのです。
そして、それが評価の指標にもなってしまう。
確かにどの職においても雑務は不可欠ですが、そうなってしまいますと本末転倒です。
僕も入試や時間割作成を担当していますが、
- 「さすがー!」
- 「仕事が早いね〜」
という言葉がけが、果たして僕ら先生が受け取るべき言葉なのかは、いまだに判然としません。
今の教育現場で求められていることは何なのか。
教員たちが疲弊している原因は、ここにもあるのかもしれませんね。
おわりに
僕はたまたま事務仕事が好きだからいいのですが、そんなことが嫌いな体育会系の人たちからすれば、たまったものではありません笑。
- 「エクセル?VLOOKUP?」
- 「ワード?タイピングなんてできないよ?」
- 「誰かやってくれない?」
という言葉が飛び交うことも、日常茶飯事です。
笑いごとではないのです笑。
「こんなこともできないなんて、それは怠慢だ」と一言で片付けてしまうには、多少の疑問を感じてしまいます。
だって、それが本分ではないのですもの。
だから「はっきりとした第三者」に雑務を委託する形をとるのではなく、
「教育と事務仕事の間にいてくれるような存在」
がほしいのです笑。
ただお金と人が足りていないため、そうした機関やグループを作ることができないのが現実ですけどね。
ひょっとすると、今後の先生たちに求められていることは「教育」一本ではないかもしれません。
今後先生を目指す方は、頭の片隅に入れておいてくださいね。
それではまた!
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