不登校になることについてどうしていくべきか【元教員の見解】

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こんにちは。せいじです。(@seiz_suzuki

先日、こんな動画を見ました。

不登校についてのデータ分析から、この会社さんがやられていることまで、元教員としては興味深いものでした。

出演者のお二方がおっしゃる通り、日本では公教育においていろんな問題があります。

正解はないとはいえ、いろんな方々のいろんな話を聞いた上で、僕なりの「不登校」についての見解を書いていこうと思います。

学校だけの問題ではなく、家庭にも問題がある。ただ、それをサポートできるほど政府がお金をかけていない部分もまた、家庭で対処しきれない理由でもあるのだ。

最近は優しすぎる?

以前にも不登校については記事を書きました。

これに関しては、あくまで「元教員」という立場から書かせてもらっています。

昨今では、学校現場もだいぶ変わりました。

無理やり登校させなくていい
まずは保健室登校からどう?

など、みなさんが思っている以上に、学校側はかなり努力をしています。

決めつけることはできませんが、現代の不登校の問題とは動画内でも紹介されている通り、いじめが原因ではないことがしばしばあります。

ゆえに、先生方も、

原因がないのにどうすればいいのかわからない

という、手の打ちようがない状況を多く経験してきています。

昔は担任が家庭訪問なんかして、

出てこい!みんなで来てやったぞ!

なんてドラマのワンシーンがありますが、そもそもそんな時間を割くことはできませんし(する先生もいますし実際に僕もしましたが)、「心に訴えかける」という行為は再現性がありません。

本人だって、なぜかわからないが行きたくない

というのが本音であり、心の奥底では学校に行きたい気持ちがなくはないのです。

学校では現在、そうした「寄り添い型」の指導がメジャーです。

これに関しては、義務教育ではない「高校の畑」にいた僕としても、

うーん、義務教育だとしても、教員が子どもや生徒たちに無理をさせることはできないだろうなぁ

という見解です。

だから学校側としては、家庭に委ねることが基本となっていて、その中で、

  • 保健室
  • スクールカウンセラー

と担任たちは連携して、放課後に時間を割くことをしています。

でも果たして、この「行かなくてもいいよ」というスタンスは、彼らにとって効果的なのでしょうか。

家庭側の課題についても書いていきます。

学校側は寄り添うような形になってきた。それくらい、学校側で無理強いすることはできなくなってきているのだ。

学校にも親にも課題がある

もちろん、学校側の対応としても課題はあります。

ただ先述した通り、現在の学校はかなりの時間を要して、いろんな生徒について話し合いを重ね、専門家たちにも頼っています。

そもそも論として「人が足りていない」という現状が、生徒たちへの対応への「しわ寄せ」となっていることも、1つの原因として捉えていいでしょう。

だからと言って先生たちも、

あとはご家庭か、その生徒さん本人の責任です

とは言い放ちません。

僕は高校教師をやっていた時、ある程度(というかかなり)生徒たちについて話し合いを重ねては対応策を練っていました。

その上で本人が「行きたくない」と言ってしまった場合、

  • 他の選択肢を示したり
  • 別の生き方をお伝えしたり

はします。

もうそれ以上、手の施しようがないからですですね。

難しい按配なのです。

動画内では「それもまた危険だ」と言っていますが、先生やカウンセラーさんたちが手を尽くしても解決できない場合、それ以上のことはできないのです。

誤解を恐れずに言えば、それは「家庭(あるいは個人)の問題」だからですね。

だから上記の会社さんは、「家庭に入って教育の学び直しをする」のだと思っています。

学校にもいろいろ課題があることは否定しませんが、実はご家庭の中で「歪んだ関係」がある可能性もあるということです。

学校の責任を押し付けているわけではありませんが、どこまで行っても「10代に対する家庭での教育」は大切だということです。

学校なんて行かなくてもいいよね
いいから学校に行け!じゃないと将来やばいぞ!

と、どちらの対応をしても、極端に振れすぎてしまった場合、子どもたちは反発してしまいます。

家庭でもルールを取り決めながら、不登校に対することについて考え、一緒に話し合っていくこと。

小中学生は高校生と違って義務教育であり、難しい局面ですが、

  • 家庭からのサポート
  • 学校からのサポート

そして政府や自治体からのサポートなどを通して、生徒たちは初めて安心して学校にいくことができるのです。

(日本では、家庭からサポートを受けていると感じている子どもたちの数は最下位)

家庭での課題を直視せずに、学校に一任してしまうことはよろしくない。両者からのサポート体制を整えて、登校を目指していこう。

大切なのは大人の教育観

答えのない問題でもありますが、やはり学校と家庭、それぞれの努力が必要であることは間違いありません。

  • 学校でも
  • 家庭でも

10代かそれ以下の子どもたちと接する時に大事なのは、大人の教育観でもあります。

  • 厳しすぎてもいけない
  • 優しすぎてもいけない

という絶妙な感覚。

じゃあ一体どうしたらいいんだ?

というのが本音でしょう。

正直、僕はこのスタンスを保つことは「難しい」と思っています。

ただ、だからと言って「不可能だ」と言いたいわけでもありません。

学校においては、

無理して学校に来る必要はない

と伝えるとともに、専門家と連携しながら学校に来させる手段を考えていきます。

ご家庭の方では、声かけをしながらも、

無理はさせないが、ちゃんと自分の身の置かれている状況を考えようか

と促すことです。

どちらにおいても、

放置しすぎることのないように。甘やかしすぎることのないように

というバランス感覚が必要とされていますね。

動画内でも話題にあがっていますが、

  • N高
  • フリースクール
  • ホームスクーリング

などはいい手段である一方で、『学校』という最高のインフラを無視してまでも通うものではないという意見もあります。

日本では全ての子どもたちに「公教育を受けること」が義務づけられて、現場にいた僕からすれば、いろんな課題はあるとはいえ、学校とは間違いなく「行って損はない」場所だと思っています。

ただ、

  • 集団という圧力
  • 変わらない教育環境

など、

確かに行きたくなくなる理由もわかる

という点もあります。

「行くこと/行かないこと」のどちらが正義ということではなくて、使えるのであれば行ったほうがいいでしょうし、どうしても合わないのであればもうそれは難しいのだと思います。

大人たちは「行かなくてもいい」という選択肢を与えながらも、そこにあるデメリットを加味しておく必要があります。

特に「学校から見た数百人のうちの一人」という感覚と(悪気はない)、ご家庭での「なんとかうちの子どもをいかせなきゃ」という感覚には、さすがに差があることを自覚しておく必要がありますね。

その上で、

  1. 学校でできる対処はできる範囲でしつつ
  2. ご家庭で甘やかさずに適宜アプローチをかけてゆく

のが必要なのかなと思っています。

学校でも家庭でも、大人がどうアプローチを取っていくかで子どもたちの気持ちも変わってくる。「行かなくてもいい」が蔓延しすぎないようにしつつも、同時に彼らが学校に行く意味を考えさせてあげよう。

おわりに

僕はあくまで公立高校の一教員でしかなく、別に不登校についての専門家ではありません。

ただ大切なのは、

  • 無理して行かせることも
  • 甘やかして学校に行かせないことも

正解にはならないということ。

高校教員時代は、義務教育ではなかったこともあり、「お子さんの人生ですから」と言っていました。

ただ、その裏には「ちゃんと家庭で話し合ってほしい」という願いもありました。

学校でできる対策と、ご家庭で話し合うことは全く違います。

だから親としてのスタンスや接し方も、動画内で紹介されている外部機関を使って見直してみてもいいのかもしれません。

その上で、先生たちもできる限りのことをしていきますから。

それではまた!

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