30代教員が授業で生徒と体験を共有する【アウトプットの難しさ】

人間関係

こんにちは。すずきです。(@seiz_suzuki

いよいよオンライン授業も始まりましたが、最初の授業ということでエンターテイメント要素を入れてみようと思いました。

オンライン授業では「自分が夏休みにした経験」を画面共有をして伝えてみたり生徒に聞いてみたりと、新たな試みをしました。

内容は英語にかすりもせず笑、とうとうと僕と数十分語り合うだけという「誰得」の授業が展開されました。

自分でやってみて感じたことをお伝えしていこうと思います。

オンラインでも授業はとても楽しい

僕ら30代の世代は、デジタルネイティブとまでは言わずともスマホが出始めた頃はすでに大学生や社会人だったため、その影響を受けて20代を過ごすことができました。

「サークル時代にもっとSNSが流行っていたらな…」と指をくわえてしまいますが、あれはあれでよかった時代だとも思っています。

そんな「デジタルに強いであろう世代」からしても、今の10代がやっている、

  • TikTok
  • インスタライブ
  • YouTubeライブ

などは、実際あまりよくわかっておりません。

しかしYouTubeライブは見たことがありますし、TwitterやFacebookなどを触ってもいますので、全くわからないというレベルではなく、触るのに大きな抵抗はありません。

オンライン授業になって早速、生徒のいない教室で授業をしました。

なんと生徒たちはきっちりと出席しまして、画面の向こうで何をやってるかは判然としませんが「〇〇、これ答えてくれ」と言っても、ちゃんとマイクをオンにして答えたりコメントしたりしてくれます。

特に僕の場合はYouTubeライブを見ていたこともあって、コメントに対して即座に反応するようにこころがけてみました。

これがまた面白く、話が脱線したりひと笑いあったりと、こちらは別に有名人でもなんでもないのにくだらない話をしました。

それを画面の向こうで生徒が聞いてくれていると思うと、こちらとしてもガチでエンタメ性を追求したいと思うようになってきました。

「教師の本分は授業である」と散々言われてきましたが、今の高校では、

  • 生徒に寄り添ったり
  • 信頼を得たり

と、まずは授業が「楽しいな」と思わせることの方が大切なのだと気づきました。

教師になりたての若い頃は「楽しい授業」を履き違えてしまい、英語の内容よりもその楽しさのほうにフォーカスしすぎてしまったことがありました。

面白い先生は確かに記憶に残りますが、生徒からの授業評価が高くなるわけではありません。

  • 面白いし、
  • 楽しいし、
  • しっかりと教えてくれる。

僕にはそんな先生像が求められていると思っています。

ひとそれぞれ、教師それぞれが持つ色があっていいですから、僕は「人を楽しませる授業」と「真剣に/真面目に英語を語る授業」の二刀流で行きます。

たとえ慣れないオンライン授業でも、広がりは無限だ。エンタメ性を追求しても面白いかもしれない。

自分のキャラクターを伝える

どうしても「すずき先生は真面目な先生」というイメージがついてしまいがちです。

生まれつきの性格と言いますか、日々の行ないと言いますか。(ん?)

冗談はさておいて、僕は「いつも適当で、お金の話をする先生」という異名が定着してしまいました笑。

ちなみに僕がブログで書いていることも、ほぼほぼ生徒に伝えています。

  • 「この前サウナに行ってさ」
  • 「ワンピース100巻が出たので、冒頭10分は考察の時間にします」
  • 「ガラスの森美術館は、カップルが行くところだったため、俺はお呼びでなかった」

など、できる範囲で生徒たちに自分のプライベートや趣味を暴露します笑。

なぜそのようなことを積極的にするのかと言いますと、頑なに「授業だけに専念する先生」は、「先生と生徒」という構図は完璧だとしても、それ以上お互いに踏み込めないイメージを持たれてしまうと思うからです。

これは僕のキャラがあるからこそやっていることでもあるため、押し付けるスタイルではありません。

それぞれの「こうありたい」という先生像を貫くこと

それでいいのです。

  • 若い先生たちは、すごくラフに生徒たちと絡んでいる。
  • 堅そうで渋い年配の先生も、生徒思いで人気がある。

「それイイじゃん」「さすがだなぁ」と思いますし、何も否定しません。

僕は「オープンで楽しく、なんでも話せる先生」でいたいと思っています。

自分の経験談をしますと、授業後に「先生、僕/私もそこ行ったよ!」「先生これ好きなの?意外!」と、さらに雑談のネタになるため、このスタイルがやめられないのです笑。

特にここ最近はかなり動き回ったため、アウトプットできるネタが豊富になりました。

自分が実際に体験したことを生徒に伝えてみますと、今まで「なんとなくそれっぽい感じ」で伝えていた雑談と違い、より説得力を帯びた話になります。

「生徒たちにとっても、いつかどこかで有用になるように」と思って話をすることができています。

自分がこうありたいと思う理想の先生を追い求めよう。それぞれのスタイルを貫こう。

生徒と体験を共有する

「僕の夏休み」を生徒に提示することって、ある意味押し付けだと思っていましたので、

「お前の趣味や経験談なんか興味ねぇよ!」

と思われるのではないかと思っていました。

しかし思いっきり振り切った結果、意外にも生徒たちはこちらを向いて聞いてくれたり、オンラインではコメントで反応してくれたりしました。

ただ、生徒がやられてイヤだろうなと思うことは、僕自身の経験をとうとうと語られることだと思います。

大人同士であれば「ここの料理屋うまいから、今度行ってみてよ」と言われればすぐに行くことができますが、生徒からすると旅や美味しいお店は、正直興味がないんですよね。

これは「話し方」がとても大切です。

  • 「ここ行ってきたんだよね!いやー楽しかったよ!」と大人の目線で興奮を語られるよりも、
  • 「ここでこんな失敗をして最悪だった」と、何かしらのエピソードが欲しい

生徒は生徒なりに「聞きたい話」があるのです。

「江ノ島に行ったらさ。カップルばかりで最悪だった」

と言えば、生徒たちの行ったことのある場所だったためか「あそこは1人で行くとこじゃないよ、先生笑」と笑われました。

  • 生徒の行動範囲内だったり
  • 生徒たちに実際に教えてもらった場所だったり

を授業で取り上げますと、彼らの目線に立って考えることもできますし、彼ら自身も参加している感覚になります。

自分が高校生の時も、

  1. カラオケ
  2. ボウリング
  3. サイゼに突撃する

くらいしか選択肢がなかったですからね笑。

日本各地を旅したことや、海外旅行をしたことのある生徒は少数派です。

高校生たちは、

  • バイト
  • 部活
  • 受験勉強

などを生活の中心としていますから、「大人が思う楽しい世界」を無理に共有しようとすることは難しいものです。

一方でアニメや漫画は食いつきがいいのはもちろんのこと。

僕が行った場所であれば、近場かつ有名なところ、そして何人かの生徒が行ったことのある場所であれば、話は弾むので長く深く話しても楽しかったです。

生徒たちではなかなか行けない場所やできない体験の話をする時は、浅くサッと終わらせました。

彼らにとって現実味がないからです。

生徒たちと共通点を探りながら、反応を見ながら自分の体験を語ってゆくことは、非常に難しかったです。

話の範囲は絞られてしまい狭くはなるのですが、一方でとても面白く、生徒との雑談レベルを上げるのには申し分ない時間となりました。

たくさんの情報を擦り合わせていくと「そうそう!そうだよね!」という瞬間が生まれて、それがまた生徒と僕を引き合わせます。

さらに「先生、この場所いいのに!」「あそこのゲーセン最高よ!」と言われますと(行くか行かないかは別にしても)、彼らの新しい情報が手に入るためお得です笑。

つまり自分語りをしつつ、生徒に寄り添いますと、

  • 自分のことも知ってもらえるし、
  • 生徒に伝わるように努力もしますし、
  • 生徒からも情報を引き出せます。

なんと一石三鳥なのです。

ただただ一方的にしゃべるのではなく、生徒との共通点を探ろう。きっと共感できるはずだ。

おわりに

この夏にいろんなところに行ってはその体験をアウトプットしてきましたが、

  • 個人の大人と話をすること
  • 集団の高校生に向かってしゃべること

この2つは、全く違うことなのだと感じました。

それでも「自分が感じたこと」や「インプットしたこと」を伝えるのはお互いに楽しく、「なにか生徒のためになれば!」という気持ちを忘れずに語ってゆくことは、悪いことではないと思います。

ガッツリ授業をやりつつも、生徒と共有できる経験や話を多く持っておくこと。

すると「先生っていろいろ知ってるんだね」と思われますし、生徒たちの行動範囲に近いところまでアプローチができるようになります。

生徒との精神的な距離を縮めておくことも、お互いの理解に大切なことです。

生徒のためだと思って、旅をしたり体験を積んだりしているつもりはありませんが、結果的にいろんな価値観や体験を武器にできたり、それらを生徒と共有することができたりするのでメリットだらけでした。

あとは僕の、

  • プレゼン能力
  • 演技力
  • 声のトーン
  • 発声法

に課題があるのでしょうから、そこらへんは毎日の授業で頑張って練習していきたいと思います。

面白くて楽しい先生を目指していきますね。

それではまた!

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