目標に向かう時の要不要の話【言語において暗記は必要だが…】

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こんにちは。せいじです。(@seiz_suzuki

先日、

英語の丸暗記は意味があるか?

という話題で、朝活が白熱しました。

結論から言えば僕は、

言語そのものが暗記作業だ

とすら思っています。

いやいや!暗記なんかしないでさ!もっと効率的に覚えられるやり方もあるでしょ!

必ずこう言ってくる人がいます。

その程度にもよりますが、でも詰まるところは「暗記」なのではないでしょうか。

今日は英語の話に限らず、「何かを頑張ること」についても触れていきます。

何かを頑張る時、泥臭さや堅実さ、継続性は必ず必要になってくる。基本的なことから逃げないことだ。

英語における暗記の定義

「暗記」と言っても、なかなか定義が難しいのですが、僕からすれば言語それ自体がもうすでに暗記だと思っています。

  • 発音するにせよ
  • 文字を読むにせよ

新しい言葉を言葉として認識し、自ら発するには “覚えていなければ” ならないからです。

当然のことであり、語彙がわからなければ何を聞いてもわかりませんし、言うこともできません。

実はこれは日本語でも起き得ることです。

文法の修正能力を問うには、まず “メタ認知” できるかどうかよね
ごめん、”メタ認知”(≒ 自分を俯瞰して見ること)ってなに?

これは母語であろうと、言語活動において頻繁に起こっていることです。

専門性が高いものもあれば、ただただ母語話者でもあまり使わないような表現もあります。

それは「知らなければ」理解することはできません。

でもせいじさ、全文覚えるとかってのはどうなの?意味ないでしょ?

いえ、それもその人の「姿勢」によると思います。

英語の学習を続けており、しゃべりたいと思っている人からすれば、ある一文(あるいは文章を丸ごと)を覚えていても、

  • それが使われることもあるし
  • それが使われないこともある

のであり、「全てが無意味だ」と決めつけることはできないからです。

そこで覚えたことが、なにかしら言語活動に影響を与える可能性もあります。

ただ、そこに固執し過ぎてしまった場合、例えば、

この本を全部今から覚えます!それ以外はやりません!

と言ったら笑、それは会話ではほとんど無意味でしょうし、仮に意味があったとしても、

もっと効率的に、会話で使う英文を覚えたら?

とも思います。

一方で、その人が英語をしゃべる必要がなく、文献の研究だけを行なっているのあれば、本人がしゃべれなくてもいいという結論にもなります。

ただ、みなさんは「しゃべりたい」という目標があるでしょうから、

  1. 暗記することは決して無意味ではないが
  2. それだけに固執したり、方向性を思いっきり間違えたりしてはいけない

のです。

暗記の守備範囲はほどほどに

とは言いつつも、かといってよく使われる単語や文は暗記して損はないです。

  • 何を目標にして
  • 何をイメージして

暗記しているかが大事だ、ということですね。

言語活動それ自体は暗記作業であり、それは母語でも起こりうる。しかしその目的に向かっている暗記なのかどうかは、ちゃんと見ておく必要がある。

ムダな作業とムダではない作業

英語の暗記作業にも、目的によっては「ムダなもの/非効率的なやり方」とは確かにあります。

英語を向上させたい

という想いがあることはいいことですが、

  • 10単語だけを数ヶ月かけて暗記する
  • ハリーポッターを暗記することに命をかける

などをしていますと、「実際に使う英語」というフワッとしつつも必ずそこにある「枠組み」から外れていってしまいます。

言語に限らず、スポーツや経済、社会規範などにもある程度「枠組み」がありますから、そこを逸脱して、

なんでもかんでも暗記すれば英語はしゃべれる!
筋トレを毎日死ぬほどやれば野球は上手くなる!

ということは起こり得ません。

じゃあ暗記だってムダになり得るじゃないか!

そうです。

だから “明らかに” ベクトルを間違えていれば、ムダ(≒ 非効率的)にもなりますし、残念ながらあまり効果の上げられない努力となりかねません。

好きでやる分にはいいですが、目標との乖離があっては、

それはただの趣味でしょ

で一蹴されてしまいます。(それでいいならいいですが)

僕が「言語は基本的には暗記」と言ったのは、そこが始まりでもあり根幹でもあるからです。

そこから逃げ回っているようでは、ずっとできないよということ。

サッカーやバスケ、野球などのスポーツにおいて、

体づくりをしたくない
とりあえず実践だけ出てれば勝てる

と言っている人がいたら、経験者のみなさんはどう思うでしょうか。

そんなので上手くなる(勝てる)わけがないだろ

と、そう言うでしょう。

ただ、だからと言って、

  • 暗記だけ
  • 体づくりだけ
  • 実践に出ることだけ

に特化していては、

いやいや笑。それはそれで上手くならんよ

とも言うでしょうね笑。

言語やスポーツにおいて「基礎」と呼ばれるものは蔑(ないがし)ろにしてはいけないという、ただそれだけのこと。

一方で基礎に固執し続けて応用に移らなければ、上手くもなりません。

何がムダなのかは、先人たちやコーチ、自分の積んできた経験から察していくのです。

何を持って有意義とし、何を持ってムダとするかは、その人のレベル感の上でやっている行為から判断するしかない。とはいえ、基本的な部分であるところは絶対に無視してはいけないのだ。

転びながら進む

じゃあこの単語はよく使うから意味があって、この単語はあまり使わないから意味がないってこと?どうやってその線引きをするのさ!

と思う人がいるかと思いますが、それはもはや「勘/感覚」によるものです。

先ほど申し上げたような、

フワッとしているが必ず存在する枠組み」

があるからです。

僕も長いこと英語を勉強していますが、

  • どれが頻出で
  • どれがレアなのか

は、自分の見聞きしてきた感覚も交えて、生徒さんにお伝えすることにしています。

めちゃくちゃ極端に言えば、

  • get
  • make
  • teacher

などはよく使いますが、

  • uterus(子宮)
  • insomnia(不眠症)
  • schizophrenia(統合失調症)

などは、英語の中級者には不要(の段階)です。

と言うよりも、優先順位の話です。

いずれは全て覚えなければ、

うちの親が統合失調症になっちゃって…

という英語は、いつまでも話せないわけですからね。(ゆえに必要)

あとは「本人がそこまでのレベルで話したいかどうか」という話。

カジュアルな英語がしゃべれればいい

というのであれば、覚える必要のない単語でしょう。

でもこの感覚とは、長年をかけて基礎から積み上げて、

これは要るだろうけど、この単語はあまり出ないだろうな。見たことないし

と思えるもののはずなのです。

それだけ、出会う頻度もわかってくるわけですからね。

みなさんにも長く続けているものがあるかと思いますが、例えばピアノにしてもバイエル(でしたっけ?)があるように、いきなり「難しい曲を弾きたい!」という人に対しては、

まぁ待て笑。落ち着いて入門からやろうか

と言うはずですよね。

それは長年、失敗したり難しさを実感したりすることで、

  • この技術は初心者には必要で
  • この技術はもうちょっと後かな…

と、感覚的にわかるというもの。

言語において暗記は大事だし、それなしでは始まらない

とは僕も言っていますが、ものごとには段階優先順位が必ずあります。

長年かけて転びつつ進み、要不要を見極めることができるようになれば、

言語においては全てが暗記だという意味もわかるし、同時に順序も大事だね

と思えるはずです。

何かを勉強したり練習したりするときには、結局年月を要する。その中で要不要を見極めていけば、基礎となることが必要なのもわかってくるし、優先順位も見えてくる。

おわりに

なぜこの記事を書いたかといえば、

暗記なんて意味ねぇ

と言い始めるヤカラがいるからでした笑。

確かに、効率的な覚え方やメソッドもある程度はあります。

しかし基本的なことを覚えて練習するのは、スポーツとなんら変わりません。

そこから逃げないこと。

そして長年やっていれば、どれだけのレベルが必要なのかがわかってくるはずですから。

それではまた!

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