こんにちは。すずきです。(@seiz_suzuki)
長らく読んでいました「ファスト&スロー」もそろそろ読み終わります。
ここで非常に有名な心理学の用語、「フレーミング効果」がでてきました。
簡単にいいますと、
- 「表現の仕方」
- 「フレームの切り取り方」
によって、人間は受け取りかたが変わってくるという内容です。
本書の例をあげながら、僕が自身でポジティブになるために取り組んでいることもお伝えしていこうと思います。
フレーミング効果
本書では、実際に医師を相手にして実験を行います。
肺ガンの2つの治療法、
「『手術』と『放射線治療』でどちらを選びますか」
というシンプルな問いです。
(細かい記述は割愛させていただきますが、短期的には手術のほうがリスクがあるそうです)
手術に関してのデータは以下のものであり、医師たちはそれぞれ以下の「データ1」を見せられるグループと「データ2」を見せられるグループに分けられます。
- 術後1ヶ月の生存率は90%です。
- 術後1ヶ月の死亡率は10%です。
結果はお分かりの通り、1を見せられたグループのほうが圧倒的に放射線治療ではなく「手術」を選びました。
ポジティブな記述の「フレーム」を提示されたほうが直感的に、
「あ、手術も結構大丈夫なのね」
と思ってしまうという認知バイアスです。
僕らはデータの1も2も同時に見てしまっていますので、「なんだよ言ってること一緒じゃん」とすぐに気づきます笑。
迷うも何も「どちらも一緒」ですので、
- データを棄却して考え直すか
- あるいはまた熟考した上で、手術を受けるかどうか判断する
ことになるでしょう。
ただ、データ2のほうを提示された人たちは、確かにネガティブ思考で「手術はやめておこうかな…」という気持ちになるのもわかります。(死亡率10%ですからね)
この実験の意味のある部分は、実際の医師を相手にしたという部分です。
どんなにプロフェッショナルであっても、提示された文言の形式(切り取られ方)によって、選択する際に有意に差が出てしまうことが、大きな問題なのだと指摘していました。
以前に書いた本書に関する記事でも、人の直感は合理的に見えて意外とそうでもないという指摘をあげました。
今回はそれらの例をあげていこうと思います。
ネガティブ思考になるニュース
プロフェッショナルですら、こうした「表現」に惑わされることがあるのですから、一般人を操作するのはもっと簡単です。
僕は最近「ネガティブ関連のことを避ける」傾向が強くなりました。
- テレビを断捨離し、
- SNSの通知をOFFにし、
- 芸能人の騒動をを見なくなる
など、生活が劇的に変わりました。
ここ1年ですと、やはりコロナ関連のニュースによって感情がだいぶ起伏していました。
去年の僕は、毎朝&毎晩テレビにかじりつき、ネガティブなフレームを浴びてしまっていたのです。
たとえメディアがそれを意図していなくても、「伝え方」と「受け取り方」において、人は簡単に直感に頼ってしまうことがあるのでした。
そっちのほうが、何も考えなくて楽だからです。
ゆえに1つの話題において「ネガティブな側面」を出されてしまいますと、そこからネガティブ思考に陥り始めます。
- 「また芸能人のあの人が不倫」
- 「重症者がこれだけ出ました」
などは、ネガティブなフレームで切り取られた部分でしかなく、ポジティブで良い面はフレームの外にあります。
すると、
- 芸能人の「悪いフレーム部分」だけを見て叩き始めたり、
- ワクチンの悪影響の数字だけに着目してしまったり
するということです。
「そんな操作に騙されるわけがない」と思っていた僕も、まんまとその罠にハマっていました。
「専門家たちですら簡単にバイアスにかかってしまう」
という惨憺たる結果があるので、一般人は「すぐ」です笑。
つまり大衆は、メディアや情報のフレームによって、思考が流されやすいと思っていたほうが良いのです。
僕自身も去年(2020年)の経験上、思考がネガティブなことばかりで溢れていて、日々イライラしていたことを覚えています。
それはフレーミング効果によるものも大きいかもしれませんが、ネガティブな思考で満たされ始めますと、自らそうした「炎上」や「叩き」を追い求めるようになっていたようにも思えます。
ニュースのすべてを否定しているわけではありませんが、ネガティブなものは流布しやすく人間が好むものということを忘れてはいけません。
そこだけを切り取っては、
- 「ものごとの逆側、裏側を見ない」
- 「別の視点を持たない」
というのは、結論に飛びついてしまっています。
ただし、人間は簡単にそう思い込んでしまうものですので、僕はまずそういったものを「見ない」ことにしたのです。
そうすることで、「フレームに惑わされる自分」をそもそも生み出さないようにしたのです。
しかし、
- どうしてもネガティブな領域にある情報が必要な時
- あるいはネガティブなニュースをチラッと見てしまった時
は、必ず別の視点を持つようにすることを心がけています。
ニュースや広告などを見かけましたら、
- 「これは『フレーミング効果』によって、その関連の情報を追わせようとしているな?」
- 「なるほど。『ネガティブなフレーム』を提示することによって、購買意欲を掻き立てているな?」
と思い始めたのです。
ポジティブ必勝法
僕はかなりポジティブなほうでして、周りの多くの方々から心配されるほどです笑。
ポジティブになるためには、日頃の笑顔も大事ですが、以下のことをやればいいのかなと思います。
- ネガティブな人や情報をできる限り避ける
- 自分にとって心地のよいものを日々取り入れるようにする
- ネガティブなことだけではなく、別の視点も取り入れてみる
ただし心配しているつもりで「批判」してくれている意見に対して、
「気に食わないから、そんな(ネガティブな)意見は無視してやろう」
という態度は、シンプルによくないと思います笑。
少しでも「確かに一理あるかもな…」と思ったのであれば、しっかりと別の視点や情報を収集して、総合的に判断したほうがよいです。
そうすれば、その意見は「ネガティブな意見(誹謗や中傷、マウントや嫉妬)」ではなく、そもそも生産的な意見だったと、結論づけることができます。
人間が生き残れてきたのは、ネガティブ思考のおかげでもあります。
何もかも排除してしまうのは、その人の成長や気づきを妨げるきっかけになってしまいます。
つまり、ここで言う「ネガティブな人やもの」というのは、本当に体に毒であるものを指します。
精神的(肉体的)に不愉快になるもののことだと思えばよいです。
また「自分の周りを心地よいもので固めること」も、自分に都合のいいことだけで固めることではありません。
- 「自分の人生にとってプラスになるもの」
- 「本当に幸せな時間を過ごせている」
と思えるような人や経験、ものごとに囲まれることを指しています。
どれもほどよいバランスが大切であって、行きすぎた考え方は逆に毒です。
だからこそフレームに惑わされず、
「3. ネガティブなことだけではなく、別の視点も取り入れてみる」
といった、客観的な視点を持っておくべきだと思っています。
いずれ「直感に頼っていた自分」の中にいるシステム2/熟考が立ち上がってくれることでしょう笑。
いろんな情報が溢れる世の中ですが、「全て不要なのだ」ということでもありません。
- 自分にとって不愉快なこと
- 人生に何の影響も与えないようなこと
であれば、すぐにシャットアウトすればいい。
逆に「幸せだな」と勘違いするのも、また人間の脳の都合の良いところです。
自分の身辺を「幸せ『だと思うもの』」で固めてしまえば、自然と幸せを感じてイイ気持ちになります。
ポジティブ思考も、外堀から埋めるのが吉です。
そうやって自分の中にあるシステム1/直感に働いてもらい、「なんだか幸せだな?」と自分を勘違いさせるのもいいことなのです。
おわりに
「ファスト&スロー」からは、多くのことを学びました。
知らないことだらけでしたが、一般的に知られているバイアスも多く紹介されていました。
お金の勉強をしていますと、このような認知バイアスが取り扱われることがあって驚きます。
こうした考え方や知識を持っているかいないかで、見えてくる世界も違ってくるのかなと思いました。
人間である以上、
- いろんな場面で直感に従ってしまうこともありますし、
- 時にそれが成功への判断となることもあります。
しかしたまに「システム2/熟考」を起動してやらないと、行きすぎた考え方や短絡的な思考に陥ってしまうのかもしれませんね笑。(単純なほうが楽ですから)
何も考えないでやることほど簡単なことはありませんが、「外してはいけない場面」では一度ネガティブなフレームと向き合い、そのフレーム外にある事実や情報を取りに行かないといけません。
まだまだ「ネガティブなフレーミング効果」に、してやられそうな自分がいます笑。
僕も単純ですので、システム2(熟考)を起こす努力をしていこうと思います。
それではまた!
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