30代が生徒指導のあり方を考える【生徒と教師は対等な関係】

人間関係

こんにちは。すずきです。(@seiz_suzuki

最近は教育ネタばかりになってしまい、恐縮です。

ただ大人にとっても大切なことだと思いましたので、書こうと思いました。

さて、教員は「王様/女王様」になりがちです。

学校や教室といった閉鎖空間で教壇に立ち、「先生という権威」を振りかざして生徒たちを圧する先生…

実はこのご時世でも、まだまだたくさんいます。

僕はどうもこのポジションを取る人が嫌いらしく、様々な先生たちが「教育」をしているのを横目に見ながら、自問自答しては悩んでいました。

なぜ悩んでいたのかと言いますと、教員は「生徒指導」もしっかりと行わなければいけない決まりがあるからです。

なんでもかんでも生徒に対して甘くすればいいのなら話は簡単なのですが、教育機関では先生と生徒という上下関係の立場のようなものがあります。

それを履き違えてしまいますと、

  • 生徒との距離感がつかめずに
  • 舐められたり馴れ合ったり
  • 最悪、体罰や猥褻といったモラルに反すること

までしてしまいます。

この一線を超えずに、生徒とコミュニケーションを取っていくこと。

では、「指導の在り方」とは何でしょうか。

今日は考えた末に僕が出した答えを、一般化しながらお伝えしていこうと思います。

下の世代の子たちとも同じ立場で話をしていこう。お互いリスペクトしていこう。

年上という威圧感

まず最初に、自分が「生徒の立場であること」を想像してみましょう。

先生というだけで威圧のある存在だということは、みなさんでも想像がつくかと思います。

教壇に立つ上で絶対にやってはいけないことは、大きな声で怒鳴ることです。

「怒る」と「叱る」は違うと言われていますが、たとえ叱るとしても、

  • 怒鳴ったり
  • 怖がらせたり
  • 体罰に近いような圧をかけたり

することは全くもって「論外」です。

「ごくせん」や「3年B組」は、今の時代でやったらただの時代錯誤ですからね笑。

どちらも好きなドラマですけれど。

怒られた時の生徒の反応は、ざっくりと2つに分かれます。

  1. 怖がってしまい、今後の関係が悪くなる
  2. 「この先生、うざい」と思って嫌いになり、話を聞かなくなる

この2つです。

僕だったら「2」の状態になりますかね。

先生に怒鳴り散らされれば、「周りもいい迷惑」という特典付きです。(静かにしてくれ笑)

とにかく、先生は権力を持った独裁者になれてしまうという点が注意点ですね。

それは明らかな「勘違い」であり、教師初心者だった頃でさえ、僕は大声で怒鳴ったことはありません。

怒鳴られた側は「ただ嫌な気持ち」しかせず、怒鳴った相手への不信感と嫌悪感しか残りません。

「いじめ/命の危険」が迫っているような現場では必要かもしれませんが、指導においての怒号は不要でしかありません。

お互い人間なのですから。

まずは生徒を、相手を尊重しましょう

余談:りゅうちぇるの格好良さ

余談ですが、以前「りゅうちぇるさんのドッキリ」を見ました。

やらせかどうかは別として、りゅうちぇるさんとの打合せ中に、スタッフ役の男性が後輩の女性を高圧的に叱るというものです。

お前が遅刻するのが悪い!

とかなんとか言います。

その女性は、結果的に泣いてしまうんですよね。(演技です)

そこでりゅうちぇるさんは、

この人、泣かせないと分からない人なんですか?

と言い放つのです。

カッコいいですよね。

教育現場においても、

「その生徒は、怒鳴って高圧的に話さないと分からない生徒なのか」

ということを考えてみれば、自ずと答えは出てきます。

生徒だって、怒鳴られなくてもわかる時のほうが多いことでしょう。

裏を返せば、そうした指導法をとる指導者は、怒鳴ることでしか指導ができないということになります。

「指導」とは力や圧力でねじ伏せることではなく、何度も何度も生徒と話して納得してもらうことだと思っています。

どんなに丁寧に指導をしても、繰り返し問題行動を起こすのであれば、

  • 高校なら退学ですし、
  • 義務教育下ならそれ相応の措置が取られる

だけです。

こちらが感情的になって言い合いや押さえつけをしたところで、全く意味はないのです。

生徒に分かってもらうことがゴールであり、地道な話し合いが必要です。

先生に怒鳴られるだけで、生徒は萎縮してしまい、信頼を築けなくなる。

腰を据えて話し合う

僕がよくやる手法は、廊下や別室に呼んでただただ静かに話し合うことです。

相手がどんなに憤慨して感情的になっていても、座ってじっくり話そうと試みることです。

それに乗って来なければ、少し時間をおいたほうがいいでしょう。

最近の学生は、とても頭がいいと思います。

コミュニケーション能力も高く、「ダメだな」と思う先生にはすぐにレッテルを貼ります。

話の内容が分かっているかは別にしても笑、ちゃんと話をしようとする生徒は多いです。

僕は特別指導(問題行動を起こし主に別室で数日過ごすこと。形態は学校による)中の生徒のところに行っては、「どうしたんだい?」と話を聞いてみるようにしています。

その場合、

  • 指導に納得していなかったり
  • 頭ごなしに丸め込まれたことで不愉快な思いをしていたり

することがほとんどです。

マニュアルに沿うことも大事ですが、教育とはまず生徒との信頼関係ではないでしょうか。

そこで生徒が暴れたら緊急事態ですが笑、無抵抗の生徒にキツくあたって「ダメな生徒」という烙印を押すのは、あまりにも粗暴です。

先生たちにもそれぞれ立場がありますが、しっかりと耳を傾けてあげる先生がいてもいいのかなと思います。

この先生なら話せるな」といった空気作りは、上の立場にいる僕たち先生の仕事です。

信頼関係を築けた上での「指導」であれば、生徒も納得してくれます。

この人は、自分の言うことをちゃんと聞いてくれるから、言うことも多少はわかるかな…

生徒にこう思わせれば、ほとんど攻め落とせたようなものです。

後輩との関係づくり

また余談ですが、以前ダンスサークルで友人が発した言葉が印象的だったので、共有します。

僕らの代が大学2年生になった頃、ある友人がミーティングで、

後輩に話しかけるの怖い〜

と言いました。

すると副代表をしていた友人が、

後輩のほうから先輩に話しかけるほうが、よっぽど怖いでしょ。

俺ら先輩のほうから、積極的にコミュニケーションを取ろうよ

と言い放ちました。

意外と、できるようでできない発想だよな

と感心したことを覚えています。

先ほどの話とも繋がりますが、年下や後輩が甘え上手ならまだしも、基本は先輩に対して怖い印象があるという前提を持っておいたほうがいいです。

できる限り僕も、職場では後輩に話しかけるようにしています。

また彼らが失敗することがあっても、甘やかさずに何が間違っていたのかをしっかりと伝え、自分も失敗しないように頑張ることを伝えます。

僕は完璧な先輩教師ではありませんからね。

生徒でも後輩でも、弱い立場にいることを常に忘れてはいけません。

どんなにイキっていようが生意気だろうが、冷静に落ち着いて話を聞いてあげて、優しく包み込んであげましょう。

生徒と落ち着いて話すことで、思いの丈を聞くことができる。話しかけ、引き出してあげるのが教師の役割だ。

まとめ

まだ教師を始めたての時の僕の指導力は、今に比べれば悲惨なものでした。

  • 何かあれば生徒と敵対し、
  • 嫌われまいと甘やかして、馴れ合おうと

していました。

結果的に、

  • 嫌われるわ
  • そっぽ向かれるわ

で大変でしたね笑。

しかし、何もかも自分で蒔いた種です。

自分のケツは自分でふきました。

こうした経験を得たからこそ、現在の自分の指導が培われました。

以下、自分なりの教育観で大切にしていることを挙げておきます。

  1. 基本的に先生と生徒という線はしっかりと引いておく。
  2. 毅然とした態度を保ち、馴れ合わない
  3. 怖い先生 or 浅い先生という印象は与えない。
  4. 叱る時は厳しいけれど、世間話や相談はできる。
  5. 信頼を失う行為はせず、失敗したらきちんと謝る

大切なことではありますが、これらが難しいんですよね。

一歩間違えれば怖い先生にもなり得ますし、舐められる可能性もあります。

結局は、メリハリのある先生が良い先生なのかなと。

また信頼関係を築けている状態は、「指導を始める際の前提条件」です。

生徒や後輩から、

  • 「先生だせぇ笑」
  • 「先輩それ違うっしょ笑」

と言われますと、ちょっと嬉しいです笑。

徐々に打ち解けてきたなという感触がありますよね。

この厳しくて真面目な面ふざけて懐に入っていくといった、両方の面を持っておくこと(つまりメリハリ)を、大切にしています。

  • 教育や英語
  • お金や生き方の話
  • あるいは生徒指導

になると「真面目スイッチ」を入れ、コミュニケーションや人間関係構築の際にはオープンな人物になる。

これが理想としている形です。

感情的になって「ちょっとこっち来いや!」とケンカ腰になってしまうことは論外です。

先生・先輩・年上というポジションだけで、生徒や下の立場の子たちにはかなりストレスかかっているということをお伝えしたかったのです。

また少しスキを見せることも、人を魅力的にする要素です。

上の立場だからこそ、できることもあります。

いろいろと考えてみてくださいね。

それではまた!

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